2013年9月5日木曜日

The Samurai guitarist

先日、何気なくテレビを見ていたところ、中井クンの番組(まあぶっちゃけ金スマなんだが)に以前ブログでもちょこっと触れたMiyaviクンが出演していた。
世界を驚かせた凄技日本人! みたいな企画のトップバッターで「サムライギタリスト」のキャッチフレーズとともに紹介され、本人も生出演、生演奏したわけですが。
改めて思う。凄い奴が出てきたもんだ。

こういう「若い才能」に出会うと嫉妬の心に苛まれる小さい人間のワタクシでも素直に拍手せざるをえない。それほど圧巻のパフォーマンスでした。さらにイケメンというのがなんとも悔しイ。
それにしても、番組の他の出演者にしても、例えばダンスのKENTO MORI(マドンナとマイケルジャクソンが取り合ったとかいう)なんかにしても、日本人もいつのまにか「パフォーマンス」で世界と渡り合えるようになってきたんだなあ、と感慨しきり。

もちろんごく一部の限られた人間の話なのだろうけれど、スポーツでも野球やサッカーの海外チームに日本人がいるのが当たり前の光景になっているし。

話しを戻してMiyaviの場合、その特殊な奏法にスポットがあてられることが多い。
いわゆる、ピックを使わずに手を弦にたたきつけて鳴らす弾き方。

特殊と言っても、ベースのスラップ奏法(チョッパー奏法)と、フラメンコギターのラスゲアード(右手の指全部でかき鳴らすやつ)やゴルペ(というらしい、ボディを叩いてリズムを刻むやつ)が基本になっているようだ。
こういった弾き方は例えば押尾コータローやウクレレのジェイク・シマブクロなどがすでにいて、その系譜とみることもできるのだけど、彼の場合スラップに特化しているところがものすごい。

ベースの場合、物理(だっけ)の時間で習った「フレミングの右手の法則」の図のような形で、人差し指と手首を通る軸を中心に手首を回転させて親指で弦を叩き、人差し指で弦を引っ張る、というのがスラップ奏法の基本なんだけど、これをギターでやるとなると、とにかく弦間の狭さがネックになる。叩くのはいいんだけど、引っ張るときに指を潜り込ませるのが難しくて安定しない。

で、演奏の時アップになった彼の弾き方を見ていたのだけど、どうやら手首を回転させるのではなく、前後(というか上下?)にばたつかせるような形で細かく人差し指(時には他の指も使っているようだった)で引っ張っているように見えた。ただ、これはこれで高速に一定時間キープするのは至難の技だと思う。

どういう経緯でそういう弾き方に至ったのかは定かでないけど、四六時中、それこそ寝るときにもギターを抱えて、みたいな感じだったんじゃなかろうか。よくいう「楽器が体の一部に見える」域にまで達しているというか。まさに達人。


と、ここまで書いて気づいたのだが、これは「日本人の彼」ならではの奏法なんじゃないかと。
外人さんの体というのは総じて大柄で、必然手も大きく、ベースを弾いてたときにはその体格がとにかくうらやましかったのだけど、ギターで同じことをやろうとすると手の小さい我々のほうが断然有利なわけで。

それにしても、こういった「ギター一本で」全てを奏でる、というのは憧れる。
ぜひとも「キワモノ」扱いを脱して、もっともっとメジャーになってもらいたいものだ。


さて、「プレイヤーとしての圧巻のパフォーマンス」で思い出したのが一つあるのでご紹介。

かの有名なクインシージョンーズの「愛のコリーダ」。これのスタジオライブだったと記憶してるんだけど、チョッパーベース業界(笑)の大物ルイス・ジョンソンがベースで参加した映像。彼の「チョッパーソロ」がまさに圧巻。黒人ならではのバネを存分に使い、超上空から腕を高速で振り下ろし叩きつけるという、ムチそのものと化した右腕!必見です。

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