2014年2月17日月曜日

アディクトさん

ちょっと古い話で申し訳無いんですが、遡ること去年の暮。
いつものようにDTM関連のニュースサイトをチェックしていると、ドラム音源の「Addictive Drums」が期間限定でセールしているというニュースを発見。

ご存知のようにセールとか 期間限定という文字にめっちゃ弱いワタクシ。でもな~、最近のフリー音源とか音いいし、わざわざ買うのもな~、と迷っているうちに前述のようなことになりまして。バタバタしている間に忘れていました。

そうこうしているうちに、年末。ふと思い出したのがセールの期限。
たしかそのサイトでは12月29日までとかいてあったような。
慌てて発売元をチェックするとまだセール中。あーでもどうしよう、買っちゃうべきなの?教えてド○えもん!

悩んだあげく、年が明けて正月。
ポチりました。
でも正月期間中は当然発売元もお休み。結局1週間ほどお預けを喰らいました。
そして、今現在。2月も半ばだというのに、続いてます。セール...
どーいうことなの~
さて、事の顛末はそれとして、そのAddictive Drumsについて。

一言で言えばドラムスのソフトウェア音源ということになります。
アプリ単体でも動作するけど、DAWのプラグインとして使うのがメインとなるでしょう。

他に有名どころでは「BFD3」や「EZ Drummer」といったところがあげらるようですが、これらに比較しても「軽い」動作がウリの一つのようです。

実際、プラグインの選択要件として「軽さ」は結構重要で、特にうちのようにノートパソコンですべて賄うとなると必須要件だったりします。
「重い」プラグインの代表格、ボカロのミクさんなんかメロディライン1本打ち込んだだけでCPUパワーごっそり持っていったりしますから。

では実際どんだけ軽いの? というと、うちのStudio Oneにはパフォーマンスゲージというのがあって、リアルタイムにどれだけCPUパワーを使っているか表示されるんですが、トラックにAddictive Drumsを立ち上げてもほとんどゲージが増えません。他の軽めのエフェクトプラグインと変わらないぐらい。
また、演奏中にマウスクリックで音色を切り替えても、ほぼ同時に新たな音色がロードされます(といっても全てではないです、もちろん)。

次に肝心の「音」。

これはもう素直に素晴らしいと言えます。
音色のベースとなるキット(バスドラとかスネアとかのセット)自体は3つと少ないんですが、エフェクトを内蔵しており、それらを合わせて数十の音色を選ぶことができます。
この音色が実戦的というか、そのまま「使える」音色です。

今までのDAW付属ドラム音源と一味違うと思ったのが、「マイク」の存在。

Addictive Drumsの中にもエフェクトと同じくミキサーが内蔵されているんですが、バスドラ、スネア、タム...といった各音色のトラックの他に「オーバーヘッド」や「ルーム」といったステレオトラックがあります。
これは実際のドラムスのレコーディングを再現したもので、各楽器の他に、天井(?)のあたりにシンバルなどを収録するためのマイクをたてたり、レコーディングブースの残響を拾うためのマイクをたてたりするというものです。

実際、ループを流しながらフェーダーをいじってみると、オーバーヘッドトラックにスネアの音が混じっていたり、他にもタムを叩くとスネアのスナッピー音(スネアの裏に付いている金属で、シャラシャラ音がする)が聞こえたりとやたら芸が細かい。

ただ、一つだけ難点をいうと、これらのエフェクトなどの「プリセット」がどうやらないようです。
音色キットやエフェクト、マイクレベルまで含めて一つのプリセットという概念のようで、たとえばあるプリセットのコンプレッサーのセッティングを他に使う、といった時に一々手で設定し直さないといけない、というのが不便。あと毎回使う定番のセッティングとか。

なので、結局のところ、内蔵のエフェクトやミキサーは使わずにDAWにパラアウトしてそちらのエフェクターを使う、といった感じになりそうです。

さて、このソフトのウリにもう一つ、「3000種類を超えるドラムパターンが付属」というのがあります。
MIDIデータとしてフレーズパターンが内蔵されていて、これがまたリアルというか、そのまま並べるだけでドラムトラック完成します的な。

実はこれが一番扱いに困ります。
なんというか、「打ち込み」作業の一番根幹というかおいしいところを他人様の作ったデータを使う、というのがなんというかモヤっとします。
この辺、サンプリングなんかにも通じるところですが、「出来合いのもん使って楽しいの?」と思う自分もいる一方、「エフェクトのプリセットとかシンセのパッチだって同じことじゃん」という自分もいます。このへんのバランスというか、どこまで自分のオリジナルとして許容できるか、というところで。

とか言いつつも、頑張って打ち込んだところで結局そんなところ聞かれてなかったりするんだよなあ。とか、結構いつも悩む部分ではあります。

ただ、まあこれもやっぱり考え方で、例えば昔のアレンジャーでも、ある程度のイメージだけ伝えてあとはスタジオミュージシャンの演奏にお任せということは当然あっただろうし、このソフトを一人のミュージシャンとみなせば「引き出し」の一つとして使うのもアリかなと最近考えるようになってきました。

というわけでタイトルの「アディクトさん」なわけです。

ちなみに辞書サイトで調べたところ「addictive」とは「やみつきになる」とかいった意味だそうで。
たしかに音はやみつきになりそう。


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