先日のスタジオリハのときに、以前からギターを教えてる姪とそのバンドメンバー(予定)の友達が見学に来ました。
今年中学生になる子達ですが、さすがにスタジオとか入ったことがなく、一回見てみたかったとのことで。
お互い独特な緊張に包まれてましたが、いい刺激になったようです。
彼女たちが音楽をやりたいと思ったきっかけが、前にもかいた「けいおん!」なのだそうで、楽器人口の裾野を広げてるなー、と。
ところでこの「けいおん」という言葉、ボクにとってちょっと懐かしいような恥ずかしいような、微妙に特別なフレーズだったりします。
以下、おっさんの昔語り、はーじーまーるーよっ
ボクの場合は「ケーオン」なんですが、高校のとき実際に「軽音楽部」に所属していました。
しかも2年時にはなぜか部長まで務めてました。
中学までイラスト・絵本クラブに所属してお絵かきに夢中だったんですが、どういった心境の変化か高校に進学したら楽器をやろうと固く決意していました。
といっても、音楽なんて当時流行ってたYMOぐらいしか知らないし、楽器なんて皆目見当もつかない世界の話だったんですが、なぜ、いつそう決意したのか今となっては定かでありません。
まあ、なんとなく新しい世界に踏み入れたかったんでしょう。
無事普通科高校に進学し、音楽関係の部を探すと「軽音楽部」、「フォークソング部(のちにポピュラー・ソング部に改称)」の2つが存在していました。
そのうち「軽音楽部」が新入生歓迎コンサートを行うという告知があり、同じクラスになった同中男子を誘って見学に。
ここでいつものごとく衝撃を受けます(感化されやすい体質です)。
う、うめーーー!
こ、これが高校生のレベル!?
いや、実際うまかった。
この軽音楽部、名前のイメージとはちょっと違い、今では珍しいであろうビッグバンド形式でカシオペアやスクエアに代表されるフージョンというボーカルレスの音楽をやる部でした。
もともとは吹奏楽部だったらしく、ギター、ベース、ドラム、ピアノのリズム楽器に、サックス、トロンボーン、トランペット、フルートという管楽器が加わってました。
(ビッグバンドでは普通サックスセクションが曲によってフルートを吹くんですが、ここは珍しく独立したセクションでした。)
一般教室にステージを作って演奏してましたが、ライブ自体見たこともなかったウブな少年は、初めて聞く曲ばかりだったのに一発で打ちのめされました。
特に、やるんだったらベースかなー、なんてぼんやり考えていたそのベースの先輩(2年生でした)はカシオペアフリークだったようで、チョッパーソロなんてバリバリ弾いてました。
一緒に見に行った男子と、もう一人会場に別に来ていた同じクラスの男子と帰りしな、興奮しながら喋ったのをなんとなく覚えてます。
入るならこっちしかない、と。
こうして一人の楽器小僧が誕生しました。
選択したパートはベース。つまり、アニメ「けいおん」で言えばジャズ研のベースということで鈴木純ちゃんポジ。
入部して待っていたのは、地獄の基礎練習。
夏には合宿にも行きましたが、お金持ちの別荘でやるなんてことはもちろんなく、民宿で雑魚寝の音楽漬け。
放課後も優雅にお茶会なんてのはなく、パート練、全体練、反省会という名の先輩からのダメ出しの日々。
とにかく全身どっぷりと「ケーオン」漬けの高校生活が続き、いつしかクラスから浮いた存在に。
まあ、昼飯も音楽室に引きこもり、放課後爆音を轟かせてれば、ちょっと特殊な存在に見られても仕方ないでしょう。
先生からも、他の生徒からも「ケーオン」とビミョ~なニュアンスで呼ばれるようになっていました。
この部はボクにとって、音楽のルーツと言えます。
ここで学んだことはそう多くはないかも知れません(専門教育ではないという意味で)が、毎日実音を鳴らせた環境というのは今となっては大変貴重だったとしみじみ思います。
というわけで、ボクにとっての「けいおん」は汗くさくリアルな青春(^_^;)のフレーズなのでした。
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